#22 国際ケア機構(CARE)が米国食糧援助を拒否
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# 22 CARE Rejects US Food Aid
#22 国際ケア機構(CARE)が米国食糧援助を拒否
2007年8月、米国で最も著名で大規模な慈善団体の一つである国際ケア機構(以下CARE)が、米国政府からの食糧援助年間4,500万米ドルを辞退すると発表した。CAREは、米国の援助の構造は、被援助国における食糧危機を低減するどころか引き起こすと主張。米国は、自国で生産した作物を買い取り、飢餓の危機や長期的飢饉に直面している人々に食糧を提供するため、年間20億ドルを食糧援助予算額として割り当てている。
同機構の発表は、米国をはじめとする主要国から第三世界の国々へ提供する援助の構造や目的、及び多くの援助団体の担う役割に関しての議論を巻き起こした。CAREの下した決断の背景には、米国貿易及び国内法案から世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンド(多角的貿易交渉)での協議に至るまで影響を及ぼした長年の論争が原因の一部を成している。
CAREは、2006年に発行した報告書、「世界食料農業白書(White Paper on Food Aid Policy)」において、既存の食糧援助計画は、奉仕よりも利益が動機となっていると指摘している。寄付金を本国の食糧を購入するために使用することを指示する同政策は、飢餓に直面している人々のためでなく、「輸出国の輸出と余剰農産物の処理をするため」の計画になってしまっている。
米国の政策は、マネタイゼーションを導入しており、これは米国政府がすでに多額の助成金を提供している自国の農業関連事業から購入した余剰食糧を、米国船会社を経由して(米国船会社を経由することで、輸送費が生じ、米国政府によって提供される補助金を年間約20億ドルも消費している)世界中の援助団体へ輸送し、現地の援助団体が、これら米国産の作物を地元住民に格安の価格で販売して得た売上を組織の発展や貧困撲滅計画への資金に活用するという有償販売制度である。しかしCAREをはじめとするいくつかの団体は、当該政策は地元農民を弱体化させ、援助団体が強化を試みている食料生産システムを不安定にさせると指摘している。
地元農民の収入を奪い、発展途上国の農業を弱体化させる本政策は、国家の発展する手段を奪い、主要国家への依存をより増大させるプロセスの一部と化してしまっている。そして、これらの国々は世界において、経済的のみならず、政治的にもより脆弱化してしまう。世界市場とより強く結びついた結果、より飢餓が増え、国家の独立性は低減する傾向に陥る。
CAREのスポークスマンであるAlina Labrada氏は、「我々は、干ばつや飢饉のような緊急事態の食糧援助に反対している訳ではない。しかしこの構造によって、地元農民達は救済されるどころか被害を受けている」と主張している。
欧州連合(EU)も米国の食糧援助計画に対して批判的である。欧州諸国は、1990年代に段階的にマネタイゼーション制度をほぼ廃止しており、食糧援助予算額の10%のみが、欧州で生産された農作物用として計上されている。米国が有償化した食糧援助計画を、世界的に批判されている農業助成金への制限を設けることを避けるために利用しているのではないかという疑惑は依然として残る。
世界最大規模の食糧援助を実施する世界食糧計画(WFP)はマネタイゼーションを否定しており、穀物を非営利団体ら(NGO)が販売することを許可していない。
直近2回の米国議会の農業法案に、地元で生産された農作物を購入することができるように、食糧援助予算の一部を穀物から現金の寄付に変更するという提案が提出されたが、これらの試みはいずれも議会で否決された。