Project Censored

Monday, March 15th, 2010

#5 反戦活動家の財産没収

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in Top 25 Censored Stories for Project Censored in Japanese

出典:
Global Research(グローバル・リサーチ誌)2007年7月号
題名: “Bush Executive Order: Criminalizing the Antiwar Movement” (「ブッシュの大統領命令:反戦運動の犯罪化」)
著者:ミシェル・チョスドフスキー
The Progressive(ザ・プログレッシブ誌)2007年8月号
題名: “Bush’s Executive Order Even Worse Than the One on Iraq” (「ブッシュの新大統領命令-イラクに関する法案より更に厳戒なものに」)
著者:マシュー・ロスチャイルド

調査担当学生:クリス・ナバール、ジェニファー・ルース
評価担当教員: エイミー・キトルストロム博士

ブッシュ大統領(当時)は、アメリカの中東復興に直接又は間接的な脅威を与えると見られる人物の財産を没収する権限を米財務省に与える大統領命令2件に署名した。
ブッシュが2007年7月17日に著名した一つ目の大統領命令「イラク安定化を脅かす者の財産封鎖」は、国務長官と国防長官との協議の下、財務長官が「直接または間接的に」イラクにおける米国の政策に危険をもたらす米国民または団体の財産を没収することが出来る、としている。この大統領命令には以下のような記述が含まれている。
今回私が発令した大統領命令の下、下記に該当する人物の財産を封鎖することとする。
1) イラクに於ける和平や安定化のプロセスもしくはイラク政府自体の存在を脅威に晒したり、イラクの経済再建と政治改革の推進を妨害する目的があったり、結果として妨害となる武力行為に関与したか、関与する重大な危険性があると見なされた人物、
2) 本大統領命令に則し、財産と財産に関わる利得すべてを封鎖凍結された人物に対して、またはその人物が行った武力行為などに対して物質的な支援・援助をしたり、財政・物資・輸送運搬・技術などの面に於いて後援したり、または物やサービスを提供したりした人物。

この大統領命令の第五項には「資金やその他の資産を即時に移動させ得る可能性を考慮すると、本大統領命令によって行使される措置内容を本人に事前に通知することはその方策を無効しかねない。従って、財産没収対象者に対する(没収の)計画または決定についての事前勧告は必要が無いものとここに決定する・・・」と述べられている。
8月1日、ブッシュは同様の大統領命令「レバノン政府の主権・民主化プロセス・社会秩序を妨害する者の財産封鎖」を発令した。この大統領命令の記述内容は最初の大統領命令と殆どの部分で酷似しているものの、レバノンに関する命令は更に厳戒なものとなっている。
両大統領命令とも、憲法で定められている正当な手続を取らずに財務長官に権限を与えて、武力行為を行う危険がある者や米国の計画にあらゆる形で少しでも反発したりする者の財産を差し押さえることを可能にしている。一方、8月1日発令の大統領命令は、米国のレバノンに於ける軍事作戦に対して武力もしくは知的妨害行為を行ったか、又は行う重大な危険性があると見なされた者全てを対象としている。加えて、財産を凍結された人物の「配偶者と扶養対象の子供」の資産凍結までをも許可している。このレバノンに関する大統領命令ではまた、資産凍結を受けた人物への食料、住居、医療行為および全ての人道的支援の提供を禁じており、そしてそれは上記の「扶養対象の子供」にまでも及んでくる。
その曖昧な記述と危険なほど広い解釈の余地から言わば違憲ともいえるこの大統領命令は、あらゆるアメリカ人が恣意的に全財産没収の対象となり得、また社会からの排斥され得ることを意味している。憲法学者でレーガン政権時代に司法省官僚であったブルース・フェイン氏はこの大統領命令について、「その大胆さは驚異的なほど。こんなに広義の解釈を許す法案はかつて見たことが無い。これではテロリズムや、国民を萎縮・威嚇したりするような武力行為や暴力の脅威という枠を超えた範囲まで適用されてしまう。」と語る。
ワシントン・タイムズ紙の社説においてフェイン氏は以下の様に述べている。「資産凍結を受けた者は社会の爪弾き者となる。財務長官が下す経済的死刑の宣告は、正当な司法プロセスの根本である筈の事前勧告や弁明への余地を与えずに下される。まるで雷に打たれたかのように突然死刑を言い渡されるようなものだ。宣告された者は即刻、包括的な検閲の対象となる。本人とその後援者は資金・物品またはあらゆるサービスの受け渡しを禁じられる。例えば、財務長官の封鎖命令に対して当人が異議を唱えようとしても弁護士が弁護をすることも出来なければ、当人が心停止状態に陥ったとしても医師は医療行為を施すことさえ許されないのである。」
加えてフェイン氏は、「司法省とは普通は発令された大統領命令の違憲性を入念に確認する側の機関のはず。まったく司法長官は居眠りでもしているのではないだろうか?」と綴っている。1(参考:ストーリー#8)

引用
1. Bruce Fein, “Our Orphaned Constitution,” (ブルース・フェイン「見捨てられた憲法」)ワシントンタイムズ紙 2007年8月7日付

マット・ロスチャイルドによる追記
この文章は、私が知る限り実質的にはどの主要なメディアにも報道されなかった。昨夏私が国内各地を回ってスピーチをした際にこの大統領命令について触れたところ、聴衆はそんなことは信じられないといった風で何故その情報が伝わってこなかったのか不思議がっていた。私も未だに分からない。
本件に関連した幾つかの刊行物についてご興味のある方には、以下のサイトの閲覧をお勧めする。
The American Civil Liberties Union(米国市民権連合), http://www.aclu.org.
The Center for Constitutional Rights(憲法に保証された人権擁護センター), http://www.ccrjustice.org.