#9 イラク及びアフガニスタンの退役軍人たちが、米軍占領下における#9 現
in Top 25 Censored Stories for Project Censored in Japanese2007年7月の「Nation」による調査及び2008年3月にメリーランド州シルバースプリングにてIraq Veterans Against the War (IVAW)主催で行われた冬の兵士(Winter Soldier)公聴会では、300名以上の帰還兵が、戦地での体験を証言した。
兵士たちが直接関与した、もしくは目撃した虐殺の悲惨な証言により、無法な環境を生み出す米軍の構造的問題が明らかになった。彼らの証言は、ブッシュ政権及び米国国防総省の高官たちによる国際法違反行為の可能性を調査する必要性があることを示唆した、と指摘する国際法の専門家たちもいる。BBCは、この冬の兵士(Winter Soldier)公聴会は開催週に世界中のニュースの見出しを飾ると予測していたが、実際は、この歴史的なニュースはアメリカの企業メディアにはほとんど報道されなかった。
多くのイラク・アフガニスタン帰還兵が、4日間に渡る冬の兵士(Winter Soldier)公聴会において、軍高官により指示された戦争犯罪の数々を証言した。それらの犯罪とは、罪の無い非武装な一般市民を狙った殺人や監禁、また建物の崩壊、死体を汚す、勾留者に対する激しい虐待(多くは死に至る)、死体の医療行為利用などを指す。
冬の兵士(Winter Soldier)公聴会2008は、アブグレイブ刑務所における捕虜虐待事件や、ハディサでのイラク人家族大虐殺なども含む、既に広く報道されている米軍による残虐行為は、多くの政治家や軍のリーダーたちが言うような「数名の悪人による指示」ではなく、占領行為の一環である、ということを広く訴えるために開催された。帰還兵たちはまた、イラクとアフガニスタンでの占領の間には、多くの共通点があると述べた。元米軍医は、「軍隊は同じ研修を受け、同じ指令を受けてそれぞれイラクとアフガニスタンに派遣されている」と述べた。
「Nation」による調査は、イラク占領時の帰還兵50名の経験を鮮明に記録している。彼らの証言により、米軍はイラク市民との対話、彼らに対する理解のためのトレーニング及びサポートに欠けていることが明らかになった。彼らが占領する国の文化的歴史的教育は皆無に等しいのである。翻訳家の数も足りず、またいても資格を持っていないことが多いのだ。取材を受けた帰還兵たちは、兵士や海軍が持つイスラム人とアラブ人に対する先入観は、後に、軍隊という限られた世界とイラクの危険な状況のせいで、更にひどい人種差別へとつながる、と指摘した。また、イラク市民は敵であるとみなされているこの暴動戦争の特色として、帰還兵たちは、兵士たちが、故郷に戻り、ゆっくりと振り返る時間を持つまでは、犠牲となるイラク市民に同情しないように作られていることも指摘した。
元米軍曹Logan Laituri 氏は、「私たちがイラクで直面している問題は、政策決定者たちが法のルールに遵守しない無法の前例を作り出していることで、国際条約を尊重しない趣ができ、それが犯罪活動へとつながるのである」と論じている。
第二次世界大戦後にニュルンベルクでナチスの戦争犯罪の主検事として活躍した国際法の専門家であるBenjamin Ferencz氏は、冬の兵士(Winter Soldier)公聴会で証言をした兵士たちは戦争犯罪者として起訴されるべきではない、とOneWorldに語っている。彼は、代わりにブッシュ大統領が、この攻撃的な戦争を始めたことの責任を取って被告席に送られるべきだ、と述べている。「ニュルンベルクでは、攻撃的な戦争は究極の国際犯罪であると言明している」。また彼は、第二次世界大戦の大虐殺後に作られた国連憲章では、いかなる国家も、国連安全保障理事会の許可なしに武力を行使することはできない、という点も指摘している。
イラクとアフガニスタンの帰還兵たちは、帰国後に、現地の占領の現実と、アメリカのメディアや政府によってそれがどう描かれているかのずれに深く気持ちが動転した。彼らが述べる占領とは、暗く、腐敗した活動であり、フランスのアルジェリア占領や、アメリカのベトナム戦争、イスラエル軍のパレスチナ占領などの誤った残酷な植民地戦争や占領などにひどく類似している。国際メディアやアメリカの独立したメディアでは普遍的にこの冬の兵士(Winter Soldier)公聴会を取り上げたが、アメリカの主要メディアはこのニュースをほとんど報道しなかった。(12章参照)
引用
1. 「冬の兵士公聴会は何故ニュースに取り上げられなかったのか」 2008年3月19日
Fairness & Accuracy In Reporting.
UPDATE BY AARON GLANTZ, AIMEE ALLISON, AND ESTHER MANILLA
冬の兵士公聴会で証言した帰還兵たちは、何も言わずにいることもできたはずだ。ヒーローのように称賛されるパレードを何も言わずに受け入れ、そのまま社会に戻れば、世界は彼らがイラクやアフガニスタンで犯した、もしくは目撃した大虐殺の実態を聞かずに済んだのだ。しかし、この兵士たちは、彼らの名誉と評判にかなりの危険を冒してまでも証言をすることにより、戦地で何が起こったのか、という歴史的な記録を塗り替えるという偉大な功績を残してくれたのだ。
彼らの証言は、主要メディアにはほぼ無視される結果となったが(New York Times, CNN, ABC, NBC, CBS は全く取り上げなかった)、 彼らの証言が無駄になったわけではない。3日間に及ぶ中継は革新議員幹部会(Congressional Progressive Caucus)の前で連邦議会が聞くこととなった。この中継の間に、我々は、党員集会の共同議長である女性下院議員のBarbara Lee氏と2名の帰還兵との電話インタビューを行った。ある冬の兵士公聴会議会での証言開始の際にLee氏はこの電話インタビューに言及し、「話をした一人の兵士の方が、何故議会のメンバーが全く公聴会にいなかったのか不思議に思った、とおっしゃったことを覚えています。また、証言をワシントンで行ってはどうか、と言われ、私は『確かにそうね』と言いました」と語った。
2008年5月15日、9名のイラクとアフガニスタンの帰還兵が、Lee氏と女性下院議員Lynne Woolsey氏が共同議長を務めた革新議員幹部会(Congressional Progressive Caucus)にて証言を行った。6名の議会メンバーも参加し、3時間に及ぶ証言に聞き入った。出席した代表者たちは証言に大きく心を動かし、女性会員議員Maxine Waters氏は帰還兵たちの勇気を称えた。KPFA と Pacifica Radio は、この議会での証言を中継した。
この3日間に及ぶ中継では、多くの帰還兵たちが孤独ではない、ということが証明されたのも重要な事実だ。両方の中継の最中に、軍人、帰還兵、兵士の家族たちから、戦争の真実を伝えることはタブーであるという伝統を打ち破ったことに対する感謝の電話、Eメール、ブログ投稿が殺到したのだ。そして、帰還兵たちからは、この中継の大切さ、それが彼らにどれだけの影響を与えたか、ということを多く聞くことができた。ある兵士、Sergeant Matthis Chiroux軍曹は、冬の兵士公聴会での証言を聞き、イラクへの配置を拒否することとなった。
Chiroux氏は、冬の兵士公聴会前は自暴自棄の状態であったと語った。「自分の部屋でイラクに関するニュースを聞きながら、希望を見失っていました。イラクに行かされ、誰も私がどう感じているのかなんて知ることもない。人類に対する犯罪に加担しそうになっていたのですが、冬の兵士公聴会のおかげで、そもそも自分は行きたくないのだ、と気づいたのです。」
Chiroux氏にとってのターニングポイントは、ニューヨーク・ブルックリン大学でお世話になった教授に3月の冬の兵士公聴会の中継を聞くことを勧められたことだ、と彼は語る。「ここに、私と同じように感じている兵士や帰還兵たちがいたのです。それまで感じていた疎外感や絶望感が、和らぎだしました。彼らに出会ってからは、堂々と彼らと話ができるようになりました。」
3月のシルバースプリングでの公聴会以降、アメリカ全土で冬の兵士地方公聴会が開催されている。新たな帰還兵たちも証言を始め、またメリーランドで証言した兵士たちも彼らの軍務の実態を更に明らかにしている。今日までに、地方公聴会はロス、シカゴ、フロリダ州のゲインズビルで開催された。シアトルでは、証言を聞くのに800人もの人が集まった。今後も、更なる公聴会が予定されている。帰還兵たちの証言は、最も効力のある武器となるだろう。
2008年3月及び5月の冬の兵士(Winter Soldier)公聴会の詳細及び証言は、http://www.warcomeshome.org もしくは http://www.ivaw.org. にて。