# 16 労働組合の権利に関する年次調査
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情報源:
国際労働組合連合のホームページ(2007年9月)
表題:「2007年労働組合の権利の侵害に関する年次調査」
学生調査員: Carmela Rocha and Elizabeth Allen
学部の評価担当者: Robert Girling, PhD
発足後1年を迎える国際労働組合連合(ITUC)が発表する予定の労働組合の権利侵害に関する初回年次調査によって、世界中の労働者の権利が大きな課題に直面していることが明るみになった。
138カ国を対象に行った2007年度の調査によると、労働組合の活動による死亡者数は2005年の115人から2006年の144人と跳ね上がっており、憂慮すべき事態となっている。
さらに、多くの労働組合員が、世界中で誘拐・拉致されたり、「行方不明」になったりしている。年間何千人もの組合員がストライキや抗議行動に参加したことで逮捕されている一方、団結への報復措置としてさらに何千人も組合員が解雇されている。労働組合がコーポラティズムを推進する政府の敵とみなされる中、アフリカ、北米・中南米、欧州、アジア、太平洋諸国の組合活動家が警察によって残虐行為を受けたり殺害されたりする事例が増えている。
コロンビアは依然として労働組合員が世界で最も命の危険にさらされている国である。2006年には、組合活動のために殺害された人の数は、1年前から8人増え、78人に達している。こうした殺害行為への政府の関与を示す有力で気がかりな証拠がある。コロンビアでの労働組合員に対する犯罪で記録されている1165件のうち、裁判に持ちこまれた件数は僅か56件で、処罰された件数に至っては10件にとどまる。
メキシコでは、500人の炭坑作業員によるストライキの鎮圧に800人の警察官が送り込まれ炭鉱会社の敷地の残虐的な手荒な明け渡しを開始した結果、2人の作業員が死亡、41人が負傷した。エクアドルでは、米国との自由貿易協定の交渉に反対して組合主導のデモが行われた際に、警官と軍隊がそれを手荒に鎮圧したことにより、15人が重傷を負った。
中米の輸出加工区の雇用者は、これまでのところ、労働者が団結しようとする動きを何とか阻止してきた。
米国では、全国労働関係委員会の裁定により、「監督者(supervisor)」という言葉の定義が拡大され、その結果、何百万人もの労働者の団結権が奪われた。
2007年、アフリカでは、ストライキへの報復として過剰な力を使ったり大量解雇を行ったケースが頻繁に見られた。ケニヤでは、花の栽培農場で働く1000人以上の労働者が職場での怪我や差別についてのストライキを行った後に解雇された。ボツワナのダイヤモンド採掘場やカメルーンの道路建設現場でも大量解雇が報告されている。エジプト、リビア、スーダンでは、単一労働組合システムによって、効果的な交渉や代表ができなくなっている。一方、赤道ギニア共和国では絶対的な独裁政治のために労働者の団結ができないでいる。
中東では労働組合の権利の承認に向けて取り組みを始めた政府もあるが、全般的に、同地域の労働者の権利は依然として世界で最も制限されている。例えば、ヨルダン、クウェート、イエメン、シリアでは、法律によって、効果的でない単一労働組合システムを強いられている。パレスチナでは、イスラエルとの戦争行為によって組合結成は事実上不可能となっている。
移民労働者は依然として同地域では最も脆弱なグループであり、ヨルダンの2つの工場の少なくとも20人の移民労働者が、賃金と労働条件の改善を求めた結果、逮捕の後国外追放されている。
サウジアラビアでは、労働者の権利と保護が完全に欠落しており、移民労働者は、特に女性の場合、賃金の不払い、強制監禁、強姦、その他の肉体的な暴力を含むあくどい権利侵害に頻繁にさらされている。
2007年、アジアでは集団行動の結果大量解雇や逮捕に至ったケースが世界で最多となった。バングラデシュでは、輸出加工区において(限定された)労働組合の権利を段階的に導入しようとしているが、その滑り出しは不調だ。原因は、雇用者が労働者代表・厚生委員会(Workers’ Representation and Welfare Committees)の指導者に対して日常的な嫌がらせ行為、停職処分、解雇処分等を行っていることにある。
輸出加工区の被服工場でストライキの参加者に対して警官が発砲し、労働者1人が死亡、けが人が出た事件もあった。マレーシアでは、警官が警棒、犬、放水銃を使用して、労働者の抗議行動を解散させた。フィリピンはアジアの中でも最も暴力的な国家として悪名高い。大統領の統治に対する民衆の抗議行動を鎮圧するために、労働組合の指導者などが「国家の敵」として標的にされている。
中国の状況は変わっていない。この国では独立した労働組合活動が法律で許可されていない。集団抗議活動に関与したとして、100人以上の労働者が逮捕・拘束される一方、公的に認められている「労働組合」はそうした労働者を保護する措置を全く取らなかった。
社会監査を行う企業Vigeoが発表した最近の報告書によると、17の欧州諸国で511の企業の調査を通して、欧州で結社の自由と集団交渉の促進を約束している企業の数は1割に満たないことが判明した。
複数の国において労働法が変更され、労働組合の権利に対する制限がさらに追加された。最も深刻な変更はベラルーシで発表された。同国の草稿段階での労働組合法では、国家が管理するベラルーシ労働組合協会の外部に労働組合を設立することが事実上不可能となっている。
このような困難に直面しつつも、何百万もの男女が、労働組合の活動に対して依然として強い情熱を示しているか、もしくはそのメリットに目を向けつつある。