Project Censored

Monday, March 15th, 2010

#25-エリオット・スピツァーのスキャンダルをめぐるブッシュ政権に

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in Top 25 Censored Stories for Project Censored in Japanese

出典: 
“Predatory Lenders’ Partner in Crime” (Truthout, 2008年2月)
F. William Engdahl, “Why the Bush Administration ‘Watergated’ Eliot Spitzer” (Global Research,2008年3月17日)
学生調査員:Rob Hunter, Elizabeth Rathbun, Rebecca Newsome
評価担当教員:Mickey S. Huff, MA

エリオット・スピツァー元NY州知事の高級売春婦との密会事件と、当時ブッシュ政権が「国家公務員に求めていた「高い道徳心」はさほど関わりがあるものではなかった。著者F. ウィリアム・エングダール氏いわく、著名公人をめぐる甚だしいスキャンダルを分析する際重要なことは、何がまたは誰がその人物を排除しようとしているかである。時期的には、現金融危機への措置においてホワイトハウスやウォールストリートが批判を受ける中、当時それらの「最も声高な危険人物による批判封じ」の候補者の一人として、スピツァー氏の名前が挙げられていたようである。

スピツァー氏は、サブプライム危機におけるブッシュ政権への非難で世に知れ渡り、2月中旬米下院金融小委員会で、また同日後ほど米経済ニュース専門局CNBCインタビューにて、略奪的貸付行為の成熟化を促す環境を作り上げたとしてブッシュ政権に真っ向から非難を浴びせた。

2月14日付けの米ワシントンポスト紙には、“Predatory Lenders’ Partner in Crime: How the Bush Administration Stopped the States From Stepping In to Help Consumers”「略奪的貸付業者の共犯者:ブッシュ政権による州消費者保護施策の妨害」(概訳)と題するスピツァー氏の論説が掲載された。このなかには、ブッシュ政権が消費者保護に対し何の政策も行わなかったのみならず、連邦政府に黙殺されてきた「国民保護」に対する州政府の取組みを阻止するといった、前代未聞の強硬施策の経緯が記されていた。

以下は、その論説の一部(概訳)にあたる。

「ブッシュ政権が成し遂げたこの「偉業」の背景には、OCC通貨監査局(以下OCCと呼ぶ)という曖昧な位置づけを持った連邦機関がある。米南北戦争時代から存在するこのOCCは、国法銀行の財務健全性を図る機能を持ち、過去140年もの間国法銀行の帳簿検証を均衡保持観点から行ってきた。それは機能としては重要ではあったが、差し障りのない存在であった。しかしながら数年前歴史上はじめて、消費者に対する攻撃手段としてOCCが利用されることになった。

略奪的貸付危機真只中の2003年、OCCは1863年の国法銀行法の条項を用い、略奪的貸付規制州法に優先するものとして正式に意見を公布のうえ州法を無効化したあげく、新たに規定を公布し、国法銀行に対する州政府の消費者保護法(州法)施行を不能ならしめてしまった。そしてこれらの悪質且つ前例を見ない連邦政府の権力行使によって、アメリカ全50州の州検事総長および銀行監督者は、新規則発布に対する積極的な抵抗を示したのである。」

しかし、50州全ての一致団結した取り組みでさえ、ブッシュ政権による銀行保護策を阻止、減速させるに及ばなかった。それどころか、多数行に対する住宅ローン貸付差別の調査が私のオフィスで行われたとき、OCCは調査停止を求めて連邦裁判所へ告訴した。

この論説はスピツァー氏の売春婦とのメイフラワーホテルでの「不運な密会」の翌日に掲載された。ワシントン関係者の中には、スピツァー氏はこの記事を通して自ら政治的墓穴を掘ることになったと考える者もいる。

2008年3月4日、スピツァー氏はさらに抵当詐欺と略奪的貸付に対し罰金刑新設法案を提出した。

しかし興味深いことに、2006年に7割近い票を得て共和党を破り、州知事に選ばれたスピツァー氏は、何の罪も問われていない。政治的な面が色濃く強調されたこの「スピツァー氏による犯行」は、ニューヨーク州ではなくワシントン州当局の手に委ねられた。ニューヨーク共和党集会では、スピツァー氏が辞職拒否をするならば、弾劾もしくは公判に踏み切る旨が急遽公表された。多くの州では売春行為は違法とされているが、実際売春婦の顧客が罪に問われることはほとんどなく、また事件が進行過程にある際、とりわけ個人の名前が公表されることはない。

論説の最後をスピツァー氏は次のように結んでいる。「サブプライム貸付危機において、無実な住宅所有者が被った計り知れない影響が歴史的に詳述される時、ブッシュ政権が好意的に評価されることはないであろう...(むしろ)利益追求のためには手段を選ばなかった貸主の「自発的共犯者」としてとらえられるであろう。ブッシュ政権は非常に意欲的に、またそれどころか連邦政府の権力を駆使し、立法政府のみならず、州検事総長や他のいかなる消費者支持者に攻撃を仕掛けたのである」。(概訳)

出典
1.”Governor Spitzer Proposes Legislation to Address Sub-prime Mortgage Crisis”,
2008年3月4日 ニューヨーク州ホームページより